歴史は繰り返す、とはよく言ったものだ。
それはよく争いごとに引用されている。

この世界は戦乱を繰り返し、正義の名の下に人々がぶつかり合い、血を流しそして死んでいる。
定期的なそのサイクルは、まるできな臭い争いを、血を、誰かが気まぐれに望んでいるかのようだ。

かつての僕も、それに巻き込まれた。
得る物は大きく、そして失うものはあまりにも多い戦いに、僕はまた巻き込まれていた。 相変わらず、なんの気もなしに立ち寄った国ではクーデターが起こっていた。
手に馴染んだ二本の愛剣を振り回しながら、なるべく血を浴びないように動きながら乱れた戦場を走った。

コレは、僕の性なのか。
争いを僕が嗅ぎつけるのかそれとも争いが僕を嗅ぎつけ引き寄せるのか。

かつて僕の人生を変えた戦いの後、かの地を旅立ってからというもの僕は幾度も規模も関係なく争いに巻き込まれることがあった。

慣れきってしまった、土埃、舞い散る火薬、火花。
入り乱れる人、血のにおいのする風。
怒号。

その中に青い小さな背を見つけた。
最小限に身を振り、冷静な顔で弓を射て時にはナイフを振るう。





懐かしい横顔を近くで見て、僕はこの殺伐とした騒がしい場所にもかかわらず、この地に似合わぬ笑みを浮かべた。


「やあ、テッド」

彼に聞こえたのだろうか。
こちらを気にする素振りを見せたことに僕はおかしな気持ちになった。




ねえ、僕らもやはり繰り返す生き物。



またこんな場所で出会った。
20080418