-after another-


 シリスは遠ざかる赤い背中を見つめていた。
 その肩には青い鳥が。
 いつまでもここで。いつまでもこの心に。いつまでも住み続けた、まるで自分自身かと見紛う存在。

 あの時、

「あの時、君は僕に希望を感じた。でもね」


 脳裏に残る彼の後姿。

「僕も、君に希望を感じていたんだ。」

 そして願っていた。

「テッド・・・・」

 ざわん。波の音に混じり、慰めるように彼らが存在を揺らめかす。
 シリスの視界の隅っこで黒い影がゆらゆら優しく揺れる。

 この青よりも。
 もっと晴れやかで果てしなく広がる、あの空を、自由に飛んで。



2007.7.16 end
 とっても不思議系(・・・)
 実は2000hitお礼用だったんですが、長くなったし意味わかんないしでやめました。
 清々しいほど没!な感じですが気に入ってます。


novel